猫の額

初心者の猫と庭いじり。日々のこと。

コネミ・ダ・マーヤ

私がファンレターなるものを出したのは、山田ミネコが初めてだ。確か高校生だった。
「私が好きな人はホウサヤマ(漢字忘れた)くんに似ています!」などと、バカみたいなことを書いた覚えがある。思い出すと恥ずかしい。
 でも私は本当に山田ミネコの漫画が好きだった。絵はそんなに上手いとは言えないし、話も大雑把。でもストーリーは壮大で、その発想力は今考えても素晴らしかったと思う。人類が生まれてからずっと今まで(そして未来も)戦っている敵の存在。そのSFとしての構想の大きさは、クトゥルー神話に通じるものがあるのではないかと思うほど。軽いキャラクターとコメディタッチのノリにシリアス展開を混ぜてくる話は、とにかく勢いがあって、魅力的だった。SFとしての世界観も割としっかりしていたし、ちょっと中国っぽい文化の背景も素敵だった。敵の名前が「デーヴァダッタ」だったり、ネパールのクマリが出てきたり、SFというより伝奇ものものというか、ファンタジー的な要素も多かったけど、そこも好きだった。ちょうど連載していた秋津洲大和編とパトロールシリーズは夢中になって読んだ。ハルマゲドン伝説シリーズはかなり前からの連載で、当時もう売ってないものも多かったけれど、全巻揃えた(はず)。その後連載がどれも終わってしまって、本当に残念だった。どこかで再開してくれないかと願った。
 
ちなみに好きなキャラはプロフェッサーこと、コネミ・ダ・マーヤ。他のハデハデな皆さんもそれぞれキャラが立っていて、みんな好きだったが、なぜか地味でそんなに活躍もしないこの人が妙に好きだった。

 しばらくたって、ドン伝の外伝やそれ以外の漫画が出ていたことがあった。当然読んだが、正直がっかりした。絵が雑になり、話が雑になり、特定のキャラクターに偏り、すっかり同人誌的なノリになってしまい、正直読むのがつらかった。結局そのまま、山田ミネコは見なくなってしまった。

・・・多分もう、ドン伝がラストまで書かれることはないだろう。
 永都が、星野が、小角がどうなったのか。人類の未来はどうなったのか。本当にラストまで着地して欲しかった。どこかで語られることがあったら嬉しい。誰かほかの人でいいから、続きを作ってくれないかしら。

 そういえば、ファンレターには返事が来た。キャラクターの便せんなんかが入っていて、直筆だったか忘れたが、簡単なお返事をいただいた。しばらくは宝物だったのだ。